Wednesday, January 1, 2014

医療と情報技術の新市場創造へ向けて

いよいよ今年も終わりを迎える。年々、一年という時の過ぎ去るのが早く感じられるようになった。このコーナーも今年2月から始まったわけだが、あれこれ書きたいとの構想は持ちながらも、いかんせん実体が伴わなかった。実務が多忙になったといRIMOWA リモワ リンボ ビジネス マルチホイール TSAロック付 4輪 スーツケース 890.40/89040 ブラック Business Multiwheel 28L【RCP】う事情はあるにせよ、もう少し書けなかったかとの反省しきりである。

さて、医療と情報技術そしてマーケティングの3つが交差する領域で、これから起ち上がってくる新たな医療情報サービスを捉えてレビューしていこうとの目論見で始めたこのコーナーだが、この一年を振り返ると、とりたてて画期的なサービスを紹介することもできなかった。特に国内では、もちろんさまざまな新展開はあったはずだが、それでも「これは、今まで全くなかったものだ」と驚かされるようなものは、残念ながら見当たらなかった。

人にそんな話をすると「医療は今後の成長市場だろうに・・・」と、意外な顔をされることが多い。この「今後の成長分野」という多くの人の医療分野に対する一般的見方と、斬新なスタートアップの不在という現実の間にあるギャップをどう理解すればよいのだろうか。まず、医療が「規制業界」であるということからくる「低い参入意欲」という問題があるだろう。現に、先日取り上げた米国遺伝子解析サービス「23 and Me」に対する米国政府FDAの業務停止命令のようなニュースに接してみれば、自由に新しいサービスを創造しようという機運は萎縮せざるをえないだろう。また医療が高度に専門的な知識を要する業界であり、軽々に外部から参入しづらいように見えるということもあるだろう。

斬新なアイデアで旧弊に風穴を開け、新たな市場を創造する」というチャレンジが、どうもやりにくい業界と見られているのは事実だろう。ネットでの新サービス開発を考えてみると、他の業界に比べ、医療業界はとにかく参入プレイヤーの数が少なすぎるのである。この参入プレイヤーの絶対量の少なさが、サービスの多様性や斬新なサービスの登場を阻んでいることもまちがいないだろう。

また逆に、規制業界であるがゆえに、そこへの過剰適応が問題になることもある。以前取り上げた「ネガティブ情報を排除する病院クチコミ・サイト」だが、これは従前の医療業界へ適応せんがために、その負の遺産である医療パターナリズムにまで過剰適応してしまったケースを示している。医療におけるアカデミズム、行政、プロバイダー、サプライヤー、患者会など、従来プレイヤーの織りなす業界内部のカルチャーや慣習に適応しようとすれば、もとより斬新な発想など生まれる余地はない。

そして、単純に従来医療の枠組みを前提とした情報技術の適用というケースも多い。これも以前、批判的にこのコーナーで取り上げたPHR(Personal Health Records)がその端的な事例であるだろう。PHRなどデータベースは従来医療の情報技術的な外縁展開という側面が強いので、一見、実現可能性が高いように見えるのだが、実際は様々な規制や主体となる個人のインセンティブの不在などがあり現状では実行は難しい。医療業界の従来プレイヤーであるITゼネコンなど受注請負業界にとっては垂涎のシステムなのだが、そうであるがゆえに、あるいはこれらをスタートアップやベンチャーが立ち上げるビジネス領域であるとは言い難いかもしれない。

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